『船津胎内樹型』について
『船津胎内樹型』は、江戸時代から胎内巡りの洞穴として知られ、富士講信者によって浅間大神が祀られ、その後富士登山の前に多くの富士講信者が訪れて身を清めたそうです。今年5月に土曜夜の人気番組『日立 世界ふしぎ発見!』でアーティストのSHOCK EYEさん(湘南乃風)がパワースポットとして紹介されていたように、実は昔から今日まで知る人ぞ知るパワースポットなんです。
『船津胎内樹型』とは、溶岩樹型の一つです。溶岩樹型とは、溶岩流が大木を取り囲んで固まって、その樹の型が残ったものを『溶岩樹型』と言います。今回訪問した『船津胎内樹型』は約1000年前に発生した剣丸尾溶岩流によって形成されたもので、大小数本の木が重なりあい、総延長70mほどもある複合型溶岩樹型なんだそうです。内部は洞穴状で、通称「母の胎内」と呼ばれる狭くて長い溶岩樹型(約20m)と「父の胎内」と呼ばれる大きな溶岩樹型(約15m)があり、内部はあたかも人の体内を連想される造形になっています。
そんな『船津胎内樹型』は、周辺の溶岩樹型とともに昭和4年に国の天然記念物に指定されています。『船津胎内樹型』の場所はというと『無戸室浅間神社(胎内神社)』中にあります。
『無戸室浅間神社(胎内神社)』について
『無戸室浅間神社(胎内神社)』はご祭神を木花咲耶姫命とし、古事記の中で木花咲耶姫命が出産した場所と伝えられている事から安産や子授けのご利益があるとされています。江戸末期の錦絵には、船津胎内樹型の『母の胎内』の奥の石仏の部屋で溶岩から滴り落ちる滴を持ち帰ろうとする姿やダイレクトに飲もうとしている姿が描かれています。船津胎内樹型への入口は、『無戸室浅間神社(胎内神社)』の境内の中にあります。
『船津胎内樹型』に入るには
『船津胎内樹型』に入洞するには、敷地内の鳥居をくぐり、右手側にあるフィールドセンターで受付をする必要があります。受付で拝観料として、大人200円、小・中学生100円を納めます。内部はかなり狭いため、入洞にはグループ制限されており、順番が来たら呼んでもらえます。拝観時間はAM9時~17時です。休館日;月曜日・祝日、6~8月は無休です。ただ、私が訪れた時に発見したのですが、入口の看板の裏面に「本日は団体予約が入っているため、一般入場出来ません」的な文章がありましたので、そういう事もあるんだと思います。行かれる際はご注意下さい。そして、ペットの入洞は不可です。
拝観料 | 大人;200円 小中学生;100円 |
拝観時間 | AM9時 ~ PM17時 |
休館日 | 月曜日・祝日(6月~7月は無休)、その他団体予約時 |
駐車場 | 無料駐車場あり(普通車10台、バス6台) |
内部の所要時間は約10分程度で見て周れますが、錦絵にも描かれているように内部はかなり狭く、天井も低いです。特に『母の胎内』への道中は、膝をついて這って行くか、蛙飛びの姿勢でひざ下だけの動きで歩かないといけないくらい天井が低いです。『父の胎内」も同様に狭く、天井が低くなっていますが、それぞれの最奥の部屋に石仏がありますが、その場所は大人でも立ち上がれるほど天井は高くなっています。
行かれる際の服装は、パンツにスニーカーをお薦めします。スカートやワンピースだと確実に裾が汚れると思いますので、お気を付け下さい。また、閉所恐怖症の方は怖さを感じられるかもしれませんので、自信が無い方はフィールドセンターで資料や映像がありますのでそちらで楽しまれるのも良いかと思います。
アクセス
河口湖フィールドセンター;山梨県南都留郡富士河口湖船津6603
■車でアクセス;
・中央自動車道『河口湖IC』から約10分程度(約5㎞)
・東富士五湖道路『富士吉田IC』から約10分程度(約5㎞)
富士河口湖富士線を走ってこられると、スバルラインマイカー規制の看板がちょこちょこありますが、『胎内洞窟入口』交差点まではそのまま進めます。『胎内洞窟入口』を右折です。
■公共交通機関でアクセス;
富士急行線河口湖駅から路線バス『五合目』行の『富士山科学研究所』下車徒歩5分
おわりに
いかがでしたでしょうか?私自身富士登山はこれまで2度登っているのですが、『船津胎内樹型』の事は知りませんでした。前述で書いたとおりテレビで見て興味を持ち、実際に訪れてみると洞窟の内部は人の肋骨のような場所があり、真夏でも内部はひんやりとしていました。内部は狭く、天井も低く、足場も悪いですが、自然が作り出した造形物、そして富士山信仰で参拝されてきた歴史、これは見る価値はあります。是非皆さまもご自身の目で見、そしてパワーをもらいに訪れてみてはいかがでしょうか?
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